音楽関連では初の投稿となります。
このコーナーでは、「ファンは当然知ってるんだけど、世間にはあまり広く知られていない」という、隠れた良盤・名盤を紹介していきます。完全に僕の独断でセレクトしますが、決して聴いて損はないアルバムを紹介しますので、どうぞ宜しくお付き合い下さい。
1枚目に選んだCDは、2003年にリリースされたRooneyの1stアルバム『Rooney』です。
Rooneyとは
Rooney(ルーニー)は1999年、カリフォルニア州ロサンゼルスで結成された5人組のロック・ポップバンドです。ギター&ボーカルのロバート・シュワルツマンが中心となって、高校の友人たちと共に結成したようです。ネットでルーニーを検索するとイングランドの有名なサッカー選手であるウェイン・ルーニーばかりがどうしてもヒットしてしまい、正直に言ってこのバンドに関する情報量は少なく、僕も詳しいことはあまり知りません。ただ、2023年現在でもメンバーを入れ替えつつバンドは解散していないようです。洋楽ファンなら一度は耳にしたことがある人も一定数いらっしゃるでしょう。
バンドのジャンルとしては所謂パワー・ポップに最も近く、ビートルズやビーチボーイズ、クイーン、チープ・トリック等の系譜を継ぐ、ポップで弾けるような明るいサウンドが特徴です。
2003年当時、メンバーは若く(当然ですが)、なかなか甘いマスクをしていたため一見アイドルバンドっぽく見える一面もありましたが、実際はしっかりとクオリティの高い音楽を作りこむ本格派バンドであり、ライブでの演奏力にも定評がありました。また、「歴代ベスト1のサマソニ」と言われているSummer Sonic 2003に出演していたのを覚えています。
ちなみに、結成メンバーのロバート・”コッポラ”・シュワルツマンはアメリカ映画界を長年に渡って牽引しているコッポラ家の一員であり、映画界の巨匠フランシス・フォード・コッポラは彼の伯父にあたり、ニコラス・ケイジやソフィア・コッポラは彼のいとこだそうです。ロバート自身も映画監督としても活動しているようで、さすがは映画一家という感じがしますね。
アルバム『Rooney』について
カリフォルニア州旗のグリズリーをそのまま前面に持ってきたジャケットが特徴の彼らのデビューアルバム『Rooney』は、2003年にリリースされました。リリース前から彼らはアメリカ国内で期待の新星バンドとして人気があり、WeezerやThe Strokes等のバンドのライブでオープニングアクトを務めるなど、評価は高かったようで、このアルバムは結果的にアメリカ国内で50万枚を超える売り上げとなりました。
このアルバム、なんと言ってもとにかくポップで聴きやすく、スッキリとした仕上がりになっています。2ndシングルであり代表曲でもある、美しい旋律の中にどこか哀愁も感じさせる『Blueside』で始まり、疾走感のあるアップテンポの曲(『I’m a Terrible Person』、『I’m Shakin’』、『Sorry Sorry』等)から、ミドルテンポの曲(『If It Were Up To Me』、『Daisy Duke』等)、ややサイケデリックな気だるさを感じさせる『Popstars』、スローテンポのバラード(『That Girl Has Love』、『Losing All Control』)まで、様々なサウンドを巧みに織り交ぜており、全く飽きがこない非常にバランスのとれた作りとなっています。楽器構成は基本的なロックスタイルであり、2本のギターにベース、ドラムス、キーボード、そこにロバートの少ししゃがれた力強いボーカルが乗り、それとは対照的な澄んだコーラスがサウンドに彩を添えます。
このアルバムの最も優れた点は、全ての曲がキャッチーでメロディアスであり、捨て曲がない、というところです。若々しさと才能を強烈に感じさせる、まさに非の打ちどころのないアルバムと言えます。
最後に
僕が初めてRooneyを知ったのは、サマーソニック2003の特集番組でした。その中で『Blueside』のMVが少しだけ流れたのを聴いて、それだけでなんとなく良い印象を抱きました。ロックンロールリバイバルブームの最中だった当時ですが、YouTubeなどといった便利なコンテンツはまだなく、僕は気になったらとにかくCDを買ってみる、という音楽ライフを送っていたので、このアルバムを買いました。聴いてみたらなんともぴったり自分にハマり、20年経った今でも時々思い出しては聴くアルバムとなっています。彼らの音楽を聴いていると、カリフォルニアの照りつける太陽と青い海、海岸沿いを風を切って走るオープンカー、それに乗ってはしゃぐ若者たちの画がすぐに浮かんできて、ウキウキするような、憧れるような気持ちになります。カリフォルニアには行ったことないですが(笑)
人によっては彼らの2ndアルバム『Calling The World』の方を傑作と評するでしょう。この2ndアルバムも、すごく良いアルバムです。ただ僕は個人的に、洗練された2ndアルバムよりも、未熟な若々しさとエネルギーを感じさせるこの1stアルバム『Rooney』をオススメしたいと思います。
気になった方は、是非アルバムを買って聴いてみてください。
決して聴いて損はない、紛れのない良盤です。
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