こんにちは!
2023年の秋季大会も全地区で全日程を終えました。今回は全国の秋季大会の結果を振り返り、そこから2024年の第96回センバツ大会の出場校を予想していきたいと思います。少々長くなりますが、最後までどうぞ宜しくお付き合いください。
選考方法おさらい
選抜選考ガイドライン
センバツ出場校は毎年、前年の秋季大会の結果を基に、高野連の選考委員によって選出されます。出場枠は現在、「一般枠」、「21世紀枠」、「神宮枠」の3種類が存在します。「一般枠」は各地区ごとに振り分けられた定数があり、その枠の数だけ出場校が選出されます。「21世紀枠」は、各都道府県秋季大会で8強(加盟校が多い地区は16強)入りした学校を対象に、困難の克服、マナーの模範、文武両道などを評価して与える出場枠であり、甲子園未出場校や長年甲子園から遠ざかっている学校が選出されます。「神宮枠」は、各地区の王者が集い毎年11月に行われる明治神宮大会の優勝校を送り出した地区に与えられる1枠です。
今回予想する一般枠については、以前まで明確な選考基準が存在せず、一貫性や透明性がないと過去に何度も物議を醸し、高野連は批判に晒されてきました。こうした批判を受け、高野連は昨年、「選抜選考ガイドライン」を公表し、選考基準を明文化しました。以下、その内容をおさらいします。
1、秋季大会の試合結果と試合内容を、同程度の割合で総合的に評価する。 |
2、試合内容については、技術面だけでなく、野球に取り組む姿勢なども評価対象とする。 |
3、複数の学校の評価が並んだ場合、できるだけ多くの地域から出場できるよう考慮する。 |
4、府県大会の結果は参考にするが、選考委員が視察する地区大会の内容を優先する。 |
センバツ出場校を予想する際は、このガイドラインを念頭に入れておく必要があります。また、大前提として押さえておかなければならないことは、センバツはあくまで主催者である高野連及び毎日新聞による「招待」制の大会であるということです。秋季大会は選考過程において参考とされるだけであり、予選ではありません。
出場枠の見直しによる変更
2024年の第96回大会より、出場枠が見直され、若干変更されます。これは、都道府県数や高校数、近年の甲子園での成績等を総合的に判断して見直されたものです。記念大会等を除いて、一般枠の変更が行われるのは20年ぶりです。変更点は下記のとおりです。
- 東北 2枠→3枠 (1枠増)
- 東海 2枠→3枠 (1枠増)
- 中国+四国 5枠→4枠 (1枠減)
- 21世紀枠 3枠→2枠 (1枠減)
中国・四国はこれまで2.5枠ずつありましたが、両地区の3番手同士を比較する0.5枠が撤廃され、2+2枠に減枠されました。また、21世紀枠はこれまで東日本から1校、西日本から1校、地域を問わず1校選出されていましたが、今後は地域を問わない2校の選出となります。
大会結果と一般枠予想
北海道(1枠)
北海道大会は、甲子園常連校の北海が優勝しました。北海が順当に選出されるでしょう。
東北(3枠)
東北大会は秋田で開催され、各県から3校ずつ、計18校が出場しました。
県 | チーム(カッコ内は県大会順位) |
青森 | 青森山田(1)、八戸学院光星(2)、聖愛(3) |
岩手 | 一関学院(1)、久慈(2)、盛岡中央(3) |
秋田 | 明桜(1)、秋田修英(2)、明桜(3) |
山形 | 鶴岡東(1)、日大山形(2)、羽黒(3) |
宮城 | 聖和学園(1)、古川学園(2)、仙台第一(3) |
福島 | 聖光学院(1)、光南(2)、学法石川(3) |
これまでの2枠から3枠に増枠となりますので、優勝した青森山田と、準優勝の八戸学院光星は当確でしょう。東北はもともと枠が少なく、以前なら同県2校選出は地域性の観点から避けられる傾向があり、このパターンだと八戸学院光星は落選の危機すらありましたが、もうその心配もないでしょう。
残る1枠を、準決勝敗退の一関学院、学法石川が争う形となります。準決勝ではどちらも完封負けを喫しており、一関学院は4点差負け、学法石川は1点差の僅差でした。
学法石川は福島3位ながら秋田、宮城の1位校を破っており、この点は高く評価されるでしょう。一方、一関学院は岩手県大会を1位突破しており、この秋唯一負けた相手が優勝校の青森山田でした。評価としては五分五分といったところで、なかなか難しい選考となりそうですが、ここは県順位の優位性を考慮して一関学院と予想します。
関東・東京(6枠)
関東(4.5枠)
関東大会は栃木で開催され、、開催県の栃木から3校、その他の県から2校ずつ、計15校が出場しました。
県 | チーム(カッコ内は都県大会順位) |
茨城 | 常総学院(1)、鹿島学園(2) |
栃木 | 作新学院(1)、白鴎大足利(2)、文星芸大付(3) |
群馬 | 健大高崎(1)、明和県央(2) |
山梨 | 山梨学院(1)、帝京第三(2) |
埼玉 | 花咲徳栄(1)、昌平(2) |
千葉 | 中央学院(1)、専大松戸(2) |
神奈川 | 桐光学園(1)、横浜(2) |
関東地区は例年、ベスト4に入ったチームは選出されていますので、優勝した作新学院と準優勝の山梨学院、そして常総学院と健大高崎は当確と見ていいでしょう。東京の2番手との比較となる残りの0.5枠を、準々決勝で敗れた帝京第三、花咲徳栄、中央学院、桐光学園の4校が争います。
このうち、帝京第三は準々決勝で5点差で敗れ、同じ山梨の山梨学院が当確となっていることもあり、不利と言えます。また、花咲徳栄は2試合で16失点を喫しており、これがマイナス評価となりそうです。ここは共に僅差で敗れた中央学院と桐光学園の争いとなりそうです。
この2校を結果だけを見て比較すると、県順位は同等、投手力はやや中央学院、守備力は桐光学園、攻撃力は中央学院が優勢といった印象です。中央学院は2戦で投手3枚を起用したのに対し、桐光学園はエースが一人で投げきっています。また、1回戦では中央学院は栃木2位の白鷗大足利にコールド勝ちを収めているのに対し、桐光学園は栃木3位の文星芸大付に3点差での勝利となっています。こう見ると僅かに中央学院リードか、といったところなのですが、桐光学園は大会準優勝の山梨学院相手に延長11回の接戦を演じ、準決勝ではその山梨学院が中央学院を破った健大高崎に僅差で勝利しているため、この点がどう評価されるかがポイントとなります。また、関東地区の傾向として何故かこの0.5枠目は神奈川県勢が候補となる頻度が高く、そこも悩みどころです。かなり難しい選考となりますが、ここは激戦の神奈川を制した点、そして過去の傾向を考慮して桐光学園が候補として残ると予想します。ただし、中央学院の可能性もまったく捨てきれないので、あとは選考委員がどこをどう評価するかにかかっています。
東京(1.5枠)
優勝した関東第一は当確となります。
関東5番手との比較となる0.5枠は、準優勝の創価となるでしょう。
6枠目の争い
さて、関東・東京の最後の椅子となる比較枠は、桐光学園、創価のどちらになるでしょうか。この地区を跨いだ比較というのは非常に難しく、特筆すべきプラス要素がない限りはどちらが選ばれるかまったくわかりません。
今大会、創価は高い打撃力で勝ち上がり準優勝に輝きましたが、桐光学園に比べ特筆すべきかと言うと、「比べようがない」というのが正直なところです。ただ、この比較枠はここ2年連続で東京が選ばれているため、今回は桐光学園が優位と見ます。
東海(3枠)
東海大会は岐阜で開催され、、各県から3校ずつ、計12校が出場しました。
県 | チーム(カッコ内は県大会順位) |
静岡 | 藤枝明誠(1)、浜松開誠館(2)、日大三島(3) |
愛知 | 愛工大名電(1)、豊川(2)、豊橋中央(3) |
岐阜 | 岐阜第一(1)、県岐阜商(2)、中京(3) |
三重 | 宇治山田商(1)、鈴鹿(2)、神村学園伊賀(3) |
東海地区も東北と同様、2枠から3枠へと増枠されますので、優勝した豊川、準優勝の愛工大名電は当確となります。
残る1枠をベスト4敗退の藤枝明誠、宇治山田商が争いますが、ここは優勝した豊川相手に9回まで試合を優位に進めていた宇治山田商の評価が上回ると考えられるため、3枠目は宇治山田商と予想できます。
北信越(2枠)
北信越大会は福井で開催され、、開催県の福井から4校、その他の県から3校ずつ、計16校が出場しました。
県 | チーム(カッコ内は県大会順位) |
長野 | 上田西(1)、東京都市大塩尻(2)、松商学園(3) |
新潟 | 日本文理(1)、帝京長岡(2)、関根学園(3) |
富山 | 高岡商(1)、富山北部(2)、高岡第一(3) |
石川 | 星稜(1)、航空石川(2)、小松大谷(3) |
福井 | 北陸(1)、福井商(2)、敦賀気比(3)、敦賀(4) |
優勝した星稜、準優勝の敦賀気比が当確となります。
近畿(6枠)
こちらの記事(【近畿】2023 秋季近畿大会結果まとめ & 2024 センバツ出場校予想(一般枠))にて、大阪桐蔭(大阪)、京都外大西(京都)、京都国際(京都)、耐久(和歌山)、報徳学園(兵庫)、近江(滋賀)と予想していますのでご参照ください。
中国(2枠)
中国大会は岡山で開催され、開催県の岡山から4校、その他の県から3校ずつ、計16校が出場しました。
県 | チーム(カッコ内は県大会順位) |
岡山 | 創志学園(1)、岡山城東(2)、岡山学芸館(3)、総社南(4) |
広島 | 広陵(1)、広島新庄(2)、尾道(3) |
鳥取 | 米子松蔭(1)、鳥取城北(2)、米子北(3) |
島根 | 浜田(1)、矢上(2)、大社(3) |
山口 | 高川学園(1)、宇部鴻城(2)、下関国際(3) |
中国・四国の3番手同士の比較となる0.5枠が撤廃されました。
優勝した広陵、準優勝の創志学園が順当に当確となります。
四国(2枠)
四国大会は徳島で開催され、、各県から3校ずつ、計12校が出場しました。
県 | チーム(カッコ内は県大会順位) |
香川 | 大手前高松(1)、丸亀城西(2)、香川中央(3) |
徳島 | 鳴門(1)、池田(2)、阿南光(3) |
愛媛 | 松山商(1)、今治西(2)、宇和島東(3) |
高知 | 高知(1)、高知商(2)、明徳義塾(3) |
中国・四国の3番手同士の比較となる0.5枠が撤廃されました。
優勝した高知、準優勝の阿南光が当確となります。個人的には徳島の池田や愛媛の古豪・松山商が出場するとあり注目していたのですが、惜しくも当確とはなりませんでした。
九州(4枠)
九州大会は福岡で開催され、各県から2校ずつ、計16校が出場しました。
県 | チーム(カッコ内は県大会順位) |
福岡 | 東海大福岡(1)、飯塚(2) |
佐賀 | 有田工(1)、唐津商(2) |
長崎 | 長崎日大(1)、海星(2) |
熊本 | 熊本国府(1)、九州学院(2) |
大分 | 明豊(1)、大分舞鶴(2) |
宮崎 | 延岡学園(1)、日南学園(2) |
鹿児島 | 神村学園(1)、れいめい(2) |
沖縄 | 興南(1)、沖縄尚学(2) |
九州地区は例年、ベスト4に残った4校がそのまま当確となります。
今回は優勝した熊本国府、準優勝の明豊、そしてベスト4の神村学園、東海大福岡が当確となります。今年は地域バランスのとれた結果となりました。近年は大分勢の秋季大会での強さが目立ちます。
おわりに
以上、ここまで一般枠(29枠)を予想してきました。来春から中国・四国の比較枠がなくなりますが、東北、東海が3枠になったため議論の的は増えることになりますね。また、関東・東京の6枠目選考は非常に悩みどころで、どうなるかわかりません。
次は明治神宮大会が終わり、21世紀枠の最終候補が出揃ったら、最終的な32校予想を改めて投稿したいと思いますので、宜しくお願いします。
では!
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