センバツ2023 総括&小ネタ集

入道雲と甲子園球場 高校野球

去る4/1、第95回選抜高校野球記念大会が無事に全日程を終え、山梨学院の優勝で幕を閉じました。今年も球児たちの懸命なプレーが光っていましたね!激闘も多かったです。

今大会はどのような大会で、僕の予想は果たしてどれぐらい当たっていたのでしょうか。早速、僕の観戦記や小ネタなども挟みつつ振り返り、総括していきたいと思います。

開会式写真
開会式の様子。4年ぶりに全選手揃っての入場となりました。何度見ても感動的な光景です。

祝!山梨学院優勝

今大会、ベスト4に残ったのは、以下の高校でした。()内は、大会前の僕の評価です。

  • 山梨学院(ランクA)
  • 広陵(ランクA-、上位有力)
  • 大阪桐蔭(ランクA、本命)
  • 報徳学園(ランクA、対抗)

終わってみれば、大会前から僕だけでなく各メディアの評価が高かった4校が残りました。この時点で、いかに今大会の結果が順当であったかがわかります。番狂わせと呼べるほどのゲームはなかった印象です。強いて言うなら2回戦の英明3-2智弁和歌山の試合ぐらいでしょうか。

そんな中で優勝したのは、山梨学院でした。山梨県勢としては春夏通じて甲子園で初めて決勝に進出し、見事優勝という偉業を成し遂げました!おめでとうございます。

山梨学院は秋の関東王者であり、僕もA評価をつけていた通り戦力的には申し分なかったのですが、正直に言って山梨県勢は甲子園で勝ち上がるイメージがなかったので、優勝候補には挙げていませんでした。山梨県民の皆さんごめんなさい。。。僕は結局、1回戦と3回戦と決勝と、3試合も山梨学院の試合を観ることができたのですが、投打ともにスキがなく、ここ一番の集中力は他のチームと一線を画すほど素晴らしかったです。エースの林くんの力投もお見事でした。

山梨学院は開幕戦勝利から決勝戦勝利を収めており、この春、一番長く甲子園で試合をしました。また、今年は記念大会で山梨学院は1回戦から試合をしており、決勝まで6戦全勝しましたね。センバツで6試合勝利して優勝したチームは、山梨学院が初めてとなりました。天晴です。

※過去には1991年、第63回大会で、広陵が9回降雨引き分け試合を含めて6試合戦って優勝した記録があります。

決勝戦試合終了後写真
決勝戦終了後

山梨学院・吉田監督とWBCの不思議な縁

今大会、ネット上で話題になったのが、山梨学院を率いる吉田洸二監督とWBC日本代表との不思議な縁です。

吉田監督はかつて、自身の地元である長崎の清峰高校の監督としてチームを率いていました。その清峰は2006年センバツの決勝に進出し準優勝、さらに2009年センバツでは優勝を果たしたのですが、どちらの年もWBCで日本が優勝していたのです。そしてそれから14年後の今年、WBCで日本は3度目の優勝を飾るのですが、ここでなんと三度、吉田監督がセンバツの決勝の舞台に立ったのです。このことから、ネット上では「WBCで日本が優勝すると、吉田監督が甲子園で決勝に行く」とのジンクスが騒がれました。二度重なるだけならたまたまか、と思うのですが、それから14年後にまた同じようなシチュエーションになるなんて、本当に凄いことですよね。偶然では片づけられない不思議な縁だと思います。

ちなみに今年のWBCですが、準決勝のメキシコ戦の最中、僕は甲子園にいました。第2試合の長崎日大-龍谷大平安の試合では、アルプスの応援団以外のほとんどの観客はスマホに夢中で、村上が逆転サヨナラタイムリーを放った際は皆が目の前の試合そっちのけで歓声を上げ、甲子園にどよめきが響き渡っていました(笑)

しんのG観戦ベストマッチ

今大会全体を通してのベストマッチは、どの試合でしょうか?今大会は本当に熱戦が多く、仙台育英-慶応や仙台育英-報徳学園、報徳学園-大阪桐蔭などの試合が非常に盛り上がりましたね。皆さんもそれぞれ思い浮かべる試合があるでしょう。

今大会、僕は飛び飛びの6日間で計16試合を現地観戦できたのですが、雨天順延の影響を受けて観たいカードがなかなか観られず、特に報徳の快進撃を観ることができず非常に残念でした。(ただ、順延のおかげで決勝には行けることになりました)

そんな僕が今大会、現地観戦した試合の中でベストマッチに挙げたいのが、3回戦の英明-作新学院の一戦です。この試合、前半はどっちつかずのロースコアの展開だったのですが、後半になると目まぐるしい展開となりました。6回、7回でお互いに点を取り合い、4-3英明リードで迎えた8回表、作新学院が継投した相手投手を見事に打ち崩し、4点を入れて逆転します。そのまま作新が継投で逃げ切るかと思いきや、その裏、英明も継投した相手投手を打ち崩し、1点を返し5-7とします。そう、この試合、悪く言うと両チームとも同じタイミングで継投に失敗したのです。ここで、さらにランナー2人を置いたところで、3番の百々くんがなんと逆転の3ランを放ち、8-7と試合をひっくり返します。大いに盛り上がる3塁側アルプスとレフトスタンド。この日、前の試合では同じ香川の高松商が同じ3塁側で敗れていたため、甲子園に集まった多くの香川県民(と思われる人たち)は今度こそとばかりに大喜びしていました。僕もこのホームランには大興奮でした。

このままきれいなルーズベルト・ゲームで試合が終わるかと思ったのですが、そううまく事が運ばないのが甲子園の恐ろしいところです。9回表、後がない作新学院は、一死1塁で5番の武藤くんがなんとなんと起死回生の再逆転となる2ランホームランを放ちます。天国から地獄とはまさにこのことで、大熱狂の1塁側アルプスとは対照的に、この時の3塁側・レフトスタンドの落胆ぶりは、本当に気の毒に思うほどでした。その裏、英明は二死1,3塁まで相手を追い詰めましたが、ここで万事休す。結局、作新学院が9-8で英明を下しました。この試合は、本当にどちらが勝ってもおかしくないシーソーゲームで、観ていて本当に楽しい、まさに高校野球の魅力が詰まった一戦でした。

英明は惜しくも敗れましたが、初戦で強豪・智弁和歌山を下すなど、今大会は四国王者として堂々たる戦いぶりを見せてくれました。

3/25 3回戦 英明-作新学院 試合終了時写真
3/25 3回戦 英明-作新学院 試合終了時

しんのG観戦ベストファインプレー

今大会も数えきれないほどの好プレーがありましたが、僕が現地で観ていて度肝を抜かれたプレーが、東邦のショート・大島くんが3回戦で見せた超ファインプレーです。高松商を相手に5-3の二点リードで迎えた8回、東邦は二死2,3塁のピンチを背負います。一打同点のこの場面で、高松商の6番・山本くんの打球は、三遊間を抜けそうかというゴロになります。捕球をしても内野安打になりそうなこの当たりを、東邦のショート・大島くんは深い位置でスライディングキャッチし、その態勢のままノーモーションで1塁へ大遠投。この球が見事にストライク送球となり、打者はアウトとなりました。このビッグプレーにより東邦は見事にピンチを凌ぎ、試合を制しました。これはまさに試合の分岐点となる超ファインプレーでしたし、甲子園もどよめきました。僕も思わずおおっと声を漏らしました。重要な場面で出たプレーということで、僕はこれを今大会のベストプレーに挙げたいと思います。

ベスト応援賞

今大会、アルプスの応援で最も注目を浴びたのは、報徳学園のアゲアゲホイホイでしょう。今では全国の高校で見られるこの応援は、何を隠そう報徳が元祖であり、以前から有名な名物なのですが、今年の報徳は劇的な勝ち上がりと相まって男子校特有の圧のあるこの応援に注目が集まりました。大会が進むにつれて応援は熱を帯び、ついにはアルプスだけでなく内野席や外野席にも、アゲアゲホイホイをやる観客が数多く見られましたね。

今大会から新型コロナによる声出しの規制が撤廃され、大声援が甲子園に戻ってきてとても感慨深かったのですが、そんな中で僕が選ぶベスト応援賞は、これまた東邦高校に決まりました。

理由は、桧山進次郎の応援歌をやっていた、という一点に尽きます。東邦の試合を観戦中、聞き覚えのあるメロディーが聴こえてくるなぁ、なんて思ったら、「この~一打にかけろ~♪」と歌詞が頭の中で再生されて、「桧山やん!」と体がビクッとなりました。これには驚きと共に笑いがこみあげてきました。なぜ東邦が桧山の応援歌をやっていたのか、選曲の理由はわかりませんが、完全にツボを突かれました。(そもそも今の高校生、桧山の現役時代なんかほぼ知らんやろ、と思いますが)素晴らしい選曲ですし、また今後も続けて欲しいですね。ちなみに、東邦は山田哲人やバレンティンの応援歌もやっていました。あとは、個人的に亀山やオマリーなんかも聴きたいです。

甲子園で大阪桐蔭に勝ったチーム、優勝できない説

ここ近年、「ジンクス」と言うにはまだパンチ力がないのですが、ジンクスに成り得るある傾向が見受けられます。それが、「甲子園で大阪桐蔭に勝ったチームが優勝しない」という傾向です。詳しく見ていきましょう。

全国の超一級選手が集う大阪の最強軍団、大阪桐蔭。その大阪桐蔭に甲子園で勝つことは至難の業と言えます。最後に大阪桐蔭に勝って優勝したのは、2015年(87回大会)春の敦賀気比でした。この大会では、準決勝で敦賀気比打線が爆発し、11-0で大阪桐蔭に圧勝しています。この大会以降、大阪桐蔭は今大会まで春夏合わせて10回甲子園に出場し、そのうち4回優勝しています。(改めて考えると恐ろしいですね。。) つまり、6回負けていることになるのですが、敦賀気比以降、大阪桐蔭を倒した6校は全てその後敗退しており、優勝できていません。その記録を以下に示します。

年(大会 回戦 勝利校 スコア その後
2016年(88回春) 2回戦 木更津総合 4-1 準々決勝敗退
2017年(99回夏) 3回戦 仙台育英 2-1 準々決勝敗退
2021年(93回春) 1回戦 智弁学園 8-6 準々決勝敗退
2021年(103回夏) 2回戦 近江 6-4 準決勝敗退
2022年(104回夏) 準々決勝 下関国際 5-4 準優勝
2023年(95回春) 準決勝 報徳学園 7-5 準優勝

このような結果となっています。やはり、大阪桐蔭を倒すというのは肉体的にも精神的にもかなり消耗するのでしょうか、近年、勝てたチームはその後惜しくも優勝を逃しています。ちなみに、敦賀気比よりも以前の例を挙げると、2007年春に優勝した常葉菊川(準々決勝で大阪桐蔭に勝利)まで遡ります。こう見ると、甲子園で優勝するためには大阪桐蔭と当たらないことが必要条件と考えても良さそうですね。これは、今後も注視していきたいデータです。

最後に

以上で、今大会の総括を終わりたいと思います。球春到来ということで、これから春季大会、選手権、秋季大会と今年もイベント盛りだくさんの楽しい季節が続きますね!盛り上がっていきましょう。

次回の投稿では、今大会振り返りの番外編として報徳学園について書きたいと思いますので、是非そちらも読んでみて下さい!では

筆者プロフィール
この記事を書いた人
しんのG

高校野球を年間60~90試合ほど現地観戦している関西在住の高校野球ファンです。近畿の高校野球の話題を中心に、ライト層からコア層のファンまで楽しめるような有益なブログを目指して投稿していきたいと思います。
また、音楽も好きなので、音楽関連の想いも綴っていきたいと思います。宜しくお願いします。

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